〚タリン旧市街散策≪TALLINNA‐KÄVELYKIERROS≫〛
タリンとはエストニア語で『デーン人の町』という意味で、11世紀にデンマーク人がトーンペアの丘に築城したことに由来している。
中世時代には、北ドイツを中心に結成されたハンザ同盟都市のひとつとして繁栄した。
現在のタリンにはそのころの建物がよく保存され、旧市街の狭い石畳の通りを散策すると、中世の北欧の町にタイムスリップしたような錯覚にとらわれる。
フィンランドの首都ヘルシンキとは、フィンランド湾を挟んでわずか85km。日帰りができる近さである。
みどころ; タリンの観光スポットは城壁に囲まれた旧市街に集中している。
その旧市街はトーンペア城のある『山の手』と、ラエコヤ広場を中心とする『下町』に分かれている。
タリンの旧市街は、広い環状道路にすっぽりと囲まれているごとくに残っている。
その道路沿いには、ホテル、オフィス、駅などが点在しているほか、公園などが続く一帯もある。
タリンでは通りの標記はエストニア語とロシア語が併用されている。
旧市街は城壁を内にして『山の手』と『下町』にはっきり分かれている。
山の手は旧市街の西側にあり、ここには‘トーンペア城’をはじめ、‘ドーム教会’、‘展望台’などがある。
この展望台から見える景色は素晴らしい。
「おとぎ話しのイメージ」そのもの、まさに中世ヨーロッパといった絶景が見られる。
タリンを紹介する写真は、ほとんどここから撮ったものである。
下町の中心は‘ラエコヤ広場’で、‘旧市庁舎’をはじめ、大きな教会などの見どころはだいたいこの辺りにかたまっている。
晴れた日にはテーブルを並べてコーヒーを飲み、くつろぐ人の姿が見られて、いい雰囲気である。
メインストリートは駅からヴィル広場まで; ラエコヤ広場から駅へ向かう通りが‘ヌンネ通り(Nunne)’、
東側のヴィル広場まで通じているのが‘ヴィル通り(Viru)’で、この2つが旧市街のメインストリートになっている。
沿道にはブティック、映画館、レストランなどが並び、一日中行き交う人で賑わっている。
そういえばタリンの人たちは、ちょっと日本人に似ていて、早足で歩く人が多いようである。
ヴィル広場の近くには花屋の屋台が並んでいる。日本の花屋で売っているものより、だいぶ地味な花が多いけれど、わりと売れている。
スカーフをかぶったおばさんが2本、3本と買っていったり、若い女の子が連れの男の子にプレゼントしたり、見ていて嬉しくなるような光景である。
公園がストリート・シアターに早がわり; 「日曜日には街角の小さな公園に行ってみましょう。
露天が出て、ストリートにはダンサーがパントマイムをやっていたりします。」
旧市街は南北の方向にも広がっている。なんでもないただの路地、なにげない家並、そして角をまがると同じような家並が続いている。
ところが、もうひとつ別の角をまがると、今度は何百年も経たような素晴らしい教会が目に入ってくる。
そして家並も路地も教会も、とともいい調和を生み出している。それがタリンの大きな魅力とも言えるであろう。
旧市街をあてもなく歩いて、そんな魅力を感じとってみたい。